台風15号の通過から一夜明けた10日、記録的な暴風雨で大きな被害を受けた千葉県では、午後も50万戸以上で停電が続いた。

各地で最高気温が30度を超える真夏日となった中、断水も約8万4000戸に上った。

千葉県防災危機管理部消防課によると、停電している南房総市で10日午後、93歳の女性が自宅の布団の上で意識不明の状態で発見され、家族の通報を受けて病院に搬送したが、死亡が確認された。停電中の市原市でも午後5時40分ごろ、男性(65)が自宅で倒れているのを帰宅した妻が発見、119番通報したが、搬送先で死亡が確認された。いずれも熱中症とみられる。

県健康福祉部は、印西市の西佐倉印西病院で9日朝、入院していた男性患者(62)が死亡したと発表した。台風の影響で、病院が同日午前3時ごろから断続的に停電する中、男性は3時半ごろから呼吸の状態が悪化し、4時からたんの吸引治療を受けていた。午前5時45分から全面的に停電となり、男性は同6時半に心肺停止となり、同9時、死亡が確認されたという。

同院は、約300床程度と県内で中規模の病院だが、自家発電装置がなかった。自家発電装置の設定は義務ではなく、停電と死との因果関係は不明で、調査中だという。【村上幸将】