聖徳太子が開いたとされる関東最古の寺、千葉県君津市鹿野山の神野寺(じんやじ)で、毎年10月9日の「奥の院開扉法楽(てんぐ様のお祭り)」に合わせて行われる「日本一大きいジャンボおはぎ」奉納が9日、行われた。巨大おはぎ奉納は、年に1度行われる「奥の院」に奉られた秘仏の白キツネに乗ったカラスてんぐ「飯縄大権現」公開に合わせて開催されるが、今年は千葉県被災地復興祈願を兼ねて行われた。

早朝から、主催の地元ボランティア団体「鹿野山・愛彩の会」スタッフが巨大おはぎ作りを行う中、君津市長の石井宏子氏(54)も駆け付けた。「皆さんも被災されていると思いますが、お互い頑張りましょう」とスタッフらを激励した。

副住職の岩間照種(しょうしゅ)氏(47)は「無事に被災地復興祈願を兼ねた法要ができて、良かったです」とホッとした表情を見せた。寺の台風被害は深刻で、国指定重要文化財「表門」が倒壊。すべてのお堂が損傷を受ける中で、台風19号が週末にも関東を直撃する恐れが出てきている。「(台風通過は)しょうがないこと」としながらも「買ってきた板で壊れた扉などふさぐなど、できる限りの措置、準備はしたい」と話した。

奉納した巨大おはぎの大きさは直径140センチ、重さ64・5キロ。昨年並みだったが、「愛彩の会」では、来年はギネス記録に挑戦することを検討している。