台風19号で氾濫した多摩川の支流、平瀬川でも大雨による氾濫が起き、付近の川崎市高津区の住宅街では浸水などの大きな被害が出た。住民らは13日、自宅の中から水にぬれた家具を運び出し、泥をかき出すなど後片付けに追われていた。

平瀬川の水があふれたのは、多摩川との合流付近。近くに住む男性会社員(39)によると、台風が来る前から水位は高く、台風直撃と同じくらいの12日夜、川の水がさくを乗り越え、住宅街に流れ込んだ。現場周辺は付近より少し低い場所にあり、一時的に周辺は冠水。一夜明けて男性が避難先から自宅に戻ると、1階の居間や寝室では冷蔵庫が倒れ、戸棚などの家具が重なり合っていた。床も泥だらけになっていたという。

男性は「住み始めて約6年、こういうことは初めてです。子どもをどう学校に通わせるかなど、今後リアルにいろいろな問題が出てくる。まだ整理がついていません」と、話した。

周辺では13日未明、浸水したマンション1階の部屋で60代男性が発見され、死亡が確認された。水が引いていない地域もあり、水を抜く作業が終日続いた。対岸の東京都世田谷区玉川周辺の住宅街でも、多摩川の氾濫に伴う浸水の後片付けに追われた。【中山知子】