将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が8日、大阪市の関西将棋会館で指された第91期棋聖戦2次予選で阿部隆八段(52)を破り、決勝トーナメント(T)進出まであと2勝に迫った。

藤井は中盤からリードを広げ、落ち着いた指し回しで白星をたぐり寄せた。「序盤は手厚い形になったが、少しゆっくり指しすぎて、仕掛けのタイミングを逃してしまった。あまり自信がなかった」と振り返った。それでも「粘り強く指すことができた」と話した。

順位戦でA級に所属したこともある阿部は「序盤、中盤と苦しかった」と完敗を認めた。

決勝Tまであと2勝に迫り、藤井は「棋聖戦ではまだ決勝Tに進んだことがない。そこを目指してがんばりたい」と意気込んだ。

現在、藤井は第69期王将戦挑戦者決定リーグで通算成績3勝1敗。4勝1敗で暫定単独トップに立つ広瀬章人竜王を追っている。14日に久保利明九段、19日の最終戦で広瀬と対戦する。連勝すれば、タイトル挑戦確定となり、屋敷伸之九段が持つ最年少タイトル挑戦記録(17歳10カ月)を更新する。「残り2局、全力を尽くしたい」と話した。