女優の木内みどりさんが18日、急性心臓死で亡くなった。69歳だった。木内さんの公式ツイッターが21日、発表した。

木内さんは、11年3月の東日本大震災による福島第1原発事故発生を機に脱原発を訴えるようになった。18年7月に開局したウェブ番組「小さなラジオ」公式サイトで「私は少しずつ変化してきました」とつづった。変化のきっかけは元京都大原子炉実験所の小出裕章氏が「だまされたあなたにも責任がある」と発言したことだと説明。「『だまされて』きた自分はなぜだまされたのか。大きな新聞やテレビ・ラジオも本当ではないことを報道することがある」と記した。

14年4月には、英ロンドンで行われた脱原発の集会に参加し、英語で脱原発を訴えた。作家沢地久枝さんが15年11月に始めた、国会前での抗議集会にも参加。「アベ政治を許さない」と書かれたポスターを掲げて政権を批判した。15年9月16日深夜、参院特別委員会で安全保障関連法案が強行採決された際は、スピーチを行い「こんな法案、絶対に通さない」と叫んだ。

7月の参院選では、脱原発を訴える山本太郎氏が立ち上げた、れいわ新選組が都内で行った街頭演説会で司会を担当。「このごろの日本は本当に不寛容で。あれはおかしい、それはみっともないとか…どんな格好をしていようが、どんな意見を持とうが自由ですよ」などと訴えていた。

木内さんは「小さなラジオ」公式サイトに「1回きりの人生。致死率100%の人生。67歳の今、あと、何年生きられるのかを考えるようにもなりました。だからこそ始めてみることにしました」と書き残している。

◆木内(きうち)みどり(本名・水野みどり) 1950年(昭25)9月25日、名古屋市生まれ。高校1年時に劇団四季の劇団員募集に応募し合格。主な作品は86年「そろばんずく」(森田芳光監督)93年「大病人」(伊丹十三監督)など多数。95年には是枝裕和監督の劇場映画デビュー作「幻の光」に出演。チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王が来日した際、レセプションの司会を引き受けた縁から、来日の度に司会を務め、チベットを支援する活動も行った。血液型O。