公文書管理をめぐる稚拙な答弁で、7日の衆院予算委員会を大混乱させた北村誠吾地方創生担当相(73)が、10日の同委員会でも迷答弁を連発し、野党をイラつかせた。「桜を見る会」の問題がモリカケを再想起させ、公文書の扱いが焦点になる中、公文書担当大臣が不信感を広げる答弁を続け、政権の深刻なアキレス腱(けん)になってきた。

この日まず、問題になったのは言い間違い。「文書管理『課』」と言うべき場面で「文書管理『者』」と何度も答え、「発音が悪くて…」と謝罪した。

また、内閣府が「桜を見る会」推薦者名簿を国会に出す際、推薦部局名を消す「白塗り」にした問題に関し、公文書管理に関するガイドラインに違反しないと繰り返し発言。「答えますが時間がかかります」と開き直るような対応もあり、審議がたびたびストップ。質問した山井和則氏が席を立ち、野党側の議員が約30分、審議をボイコットする事態にまで発展した。

北村氏は先週末の出張を中止して答弁を特訓したが、「大臣の資質」にさらなる疑問を残した。この日は野党の反対を押し切り与党が政府参考人の出席を認め、北村氏が指名されても内閣府審議官が答える場面が目立ったが、北村氏は「審議官が答えた通り」と何食わぬ顔だった。官僚3人から答弁のたびにレクを受ける異例の支援体制でも、迷走は改善しなかった。

岸田派の「在庫一掃組」として、72歳で初入閣した北村氏だが、与党内でも「大臣の責務に耐えられないのでは」と不安視される。安倍晋三首相が出席する12日の同委員会でも、追及対象となる北村氏。任命権者の首相は目の前で、その「資質」を突きつけられることになる。【中山知子】