将棋の豊島将之名人(29)が12日、大阪府と大阪市による本年度の大阪文化賞を受賞し、大阪市内で行われた贈呈式に出席した。

同賞は大阪の文化芸術の振興に貢献した人に贈られる。将棋の棋士としては同賞受賞は初めて。

豊島は日本将棋連盟関西本部を拠点として活躍。昨年5月、平成生まれの棋士としては初の名人を獲得し、王位、棋聖と合わせて史上9人目となる3冠を達成した。その後、棋聖と王位を失ったが、昨年12月に竜王を獲得し、史上4人目の竜王・名人となった。

「私の年齢の倍ぐらいの歴史のある、名誉ある賞をいただき、ありがとうございます」とあいさつ。

愛知県に生まれた豊島は、5歳のときに大阪府豊中市に転居。5歳のときから関西将棋会館の道場で将棋の指導を受け始めた。現在は兵庫県尼崎市に住み、関西を拠点に活躍している。「修行時代から大阪の福島(関西将棋会館)でやってきたので、この賞をいただけたのかなと。今後も良い棋譜を残し、大阪を盛り上げたい」と意気込んだ。

かつて将棋界は東高西低とも言われたが、現在は関西にも実力のある棋士がそろう。「10代の後半から20代前半にかけて、先輩棋士に将棋を教わった。関西の棋士のほうがフランク。温かく教えていただいた」と感謝した。