新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が7日に発令され、外出自粛が要請されたことで、金券ショップが苦境に立たされている。9日、大阪市内の店舗が電話取材に応じた。

猛威を振るう感染症は都市間の移動自粛につながっている。新幹線等交通系のチケットは軒並み価格が下落。ある店舗では「(交通系は)3月ぐらいから売り上げが3~4割ぐらい減ってきて、今は10分の1です」と肩を落とす。

この店舗では普段、新大阪-東京間の新幹線チケットを1万3000円程度で販売しているが、現在は1万1000円で販売。買い取り価格を下回っているという。元々交通系のチケットは「薄利多売」といい、多くを販売して安定的な利益を得る仕組みだが、有効期限があるため、期限内に売れない場合は処分される。「そうならないように、赤字を出してでも価格を下げて販売している。毎日ちょっとずつでも売らないと、家賃とか払っていけない」と嘆いた。

商品券も、販売価格が98パーセントから95パーセント程度にまで下がっている。7日に発令された7都府県の緊急事態宣言では、百貨店が休業または食料品売り場のみの営業となっているからだ。

別の店舗では、新幹線の価格は下落しているが「安いので普段大阪から在来線で京都に行く人が、新幹線で行って短時間で帰ってくる人もいます」と、違う形での購入者がいることを明かした。

その店舗では、利益が大きく下落しているわけではないとしながらも、先が見えない状況に「1日でも早く収束してほしい。長引けばどうなるかわからない」と不安を口にした。【南谷竜則】