新型コロナウイルスの感染者数が乗客乗員696人に上ったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が5月16日から再開を予定していたクルーズツアーを中止し、8月中旬以降の再開を目指すことが明らかになった。運営会社は15日、「日本発着クルーズについては、8月4日出発分まで中止する」と発表した。

運営会社によると同船は3月上旬から船内清掃と消毒作業を行い、船内のタオル、枕、寝具、マットレスなどの備品はすべて廃棄処分され、新品に交換。同25日、神戸港へ向かった。

同船は5月16日に神戸港を出発し、四国~広島~宮崎を経て韓国(釜山)を巡る8日間ツアーから再開予定だった。正規料金は1人51万1300円(スイート)から14万7000円に設定されていたが、旅行代理店各社では8万8000円からと格安料金で予約を受け付けていた。大手旅行会社では「風評被害や、不要不急な外出の自粛が要請される中で、しょうがない。代金は全額返還となりますが、このまま感染拡大が続けば…」とクルーズ船ツアーの今後を危ぶんでいた。

同船は8月15日に横浜を出港し、日本各地と韓国(釜山)を巡る9日間ツアーなどから再開を予定しているが運営会社では「運航については再度、状況を慎重に検討の上、決定させていただきます」としている。