全都道府県に緊急事態宣言が発令されて初の、先行して発令されていた7都府県では2度目の週末となった。

新宿、渋谷、銀座など都内の主要ターミナル駅周辺や繁華街では前週同様に人通りが激減している。一方で、東京・武蔵野市の人気スポット吉祥寺は、1週間前の週末と変わらないにぎわいをみせていた。

快晴の吉祥寺は、JR吉祥寺駅前のアーケード街を中心に混雑していた。前週の11日と、同じ場所同じ時間帯に「定点定時」でチェックしたが、途切れることのない人通りは先週と変わらないどころか、逆に人の密度は高くなっている印象を受けた。

前週末と変化があったのは、店内が混雑して「3密」状態が懸念された大手家電量販店や、一部の理髪店が臨時休業していたことだった。それでも大手ディスカウント店は混雑し、レジ待ちの長い列、人気精肉店にも、いつも通りの行列ができていた。

市職員らが「緊急事態宣言!外出はしないでください」と書かれた横断幕を手にアーケード街などを歩いて注意喚起を行ったが「いいんだよ、別に」と、つぶやいて通り過ぎる若者たちがいた。人気ラーメン店のカウンター席は埋まり、酒類の提供が午後7時までが要請されている居酒屋では「昼飲み客」が少なくない。ある客は「パチンコもやってないから飲むしかない」と陽気に笑った。

使い捨てマスクは品薄で手作りマスク着用の人も増えたようだ。中にはレジ袋を持った客の姿もあった。それでもマスクなしで体を密着させて歩くカップル、マスクをずらして大声で笑う若者グループなどもいて先週と変わらない、いつも通りの光景だった。【大上悟】