コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなど各種スポーツ、芸能イベントも開催できない状況です。日刊スポーツでは心温まる、ホッとひと息つける「ホッコリ ニッカン」面を新設しました。「日本の色」と題して、鮮やかな写真とともにお届けします。

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松山空港へ向けて降下する機窓から、愛媛県今治市とその沖の大島との間にある来島海峡の急潮が目に入った。

来島海峡は、昔より「一に来島、二に鳴門、三と下って馬関瀬戸(関門)」とうたわれるように日本3大急潮流の1つ。世界共通で「右側航行」が原則の海上交通だが、広島県呉市の方から愛媛県西条市側に流れる南流時は、強い潮流だと、かじ取りが難しくなるため、カーブが少ない中水道(馬島と中渡島の間)を通り、逆潮で西水道(四国本土と馬島の間)を通る船とともに「左側航行」となる。

今治市と広島県尾道市を結ぶ全長約60キロメートルの「瀬戸内しまなみ海道」は「サイクリストの聖地」と呼ばれている。長期出張中の休日を利用し、広島県福山市から約4時間かけて、潮風に吹かれながらサイクリングを楽しんだ宮城県仙台市在住会社員の鈴木政彦さん(48)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、誰にも会わないようにと決め、自転車に乗り、海峡に架かる来島海峡大橋などが望める「亀老山展望公園」で休息をとった。仕事で機械のメンテナンスや修理を行う。「依頼主に会うので、体調管理には気をつけている。早い終息を祈るしかないですね」と話した。【江口和貴】

<撮影データ>4月10日午前11時3分撮影 ソニー「α92」 24-105ミリ(焦点距離43ミリ) ISO感度200 シャッタースピード640分の1 絞り5