コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなど各種スポーツ、芸能イベントも開催できない状況です。日刊スポーツでは心温まる、ホッとひと息つける「ホッコリ ニッカン」面を新設しました。「日本の色」と題して、鮮やかな写真とともにお届けします。

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北海道に、ようやく春が訪れた。札幌から車で1時間30分ほどで到着する浦臼町にある浦臼神社の敷地内では、ピンク色のカタクリと淡い青い色のエゾエンゴサクの群生が見頃を迎えている。エゾエンゴサクは北海道の森に春を告げる花として知られており、雪解けの後、真っ先に咲き始める。まだ色の少ない春の森。その中に出現する花畑はとても幻想的だ。

そんな花畑に時折、「妖精」が現れる。エゾリスだ。駆け回る姿や食事する姿を見ることができる。近年SNSで話題となり、一目見ようと全国からカメラマンが訪れる。多い日には1日200人が、花畑を取り囲みシャッターチャンスを狙っている。

だが、今年は新型コロナウイルスの影響で人影はほとんどない。地元の観光協会では自粛で見ることができない人たちのために、SNSで開花状況などを写真で発信している。産業振興課の粟野敏朗さん(43)は「今の状況では来て下さいとは言えません。神社の近くには道の駅や温泉もあります。来春、この状況が落ち着いたらぜひ見に来て下さい」と話した。【佐藤翔太】

<撮影データ> 4月22日午前7時23分撮影 キヤノン「EOS-1DX Mark2」 600ミリ ISO感度3200 シャッタースピード1000分の1 絞り5・6