公認会計士と税理士免許を持つお笑いコンビ、Gパンパンダの星野光樹(27)。

芸人としての活動だけでなく、自身で「星野光樹公認会計士事務所」も構え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で仕事が激減し苦しむ芸人仲間の相談にも乗っている。現在、経済的に困窮するアルバイトなどで生計を立てる人々に向けた対策方法を聞いた。

星野によると、アルバイトなどで生計を立てている人は、フリーランスや芸人ら個人事業主などが申請できる持続化給付金の対象にならないという。「早急に現金が欲しい人には緊急小口資金等の特例貸付という制度をお勧めします」とし、「手元にお金がない人は10日から2週間で20万円、無利子で借りられます。社会福祉協議会というところが貸してくれます」とアドバイスする。

また、家賃の支払いに困っている人には「住居確保給付金という制度があります。元々は失業者向けの制度なのですが、今回の危機に対応して、一定金額以下の減収と一定金額以下の貯金残高の人は、国が3カ月分家賃を払ってくれます」とした。

光熱費や税金の支払いについても、支払い猶予をもらえる場合があるという。「ガス会社などそれぞれ契約している会社に問い合わせてもらって、何カ月か猶予をもらえることがあります。住民税もお住まいの市区町村の窓口に行けば、1年間支払いを猶予してもらえます」と、さまざまな制度を紹介。

特別定額給付金は困窮していても一律10万円だけだ。星野は「現状の補償などでは、緊急小口資金の特例貸付と支払い猶予のセットでこの時期をしのぐというのが最善の策だと思いますね」とアドバイス。緊急事態宣言が解除されていない地域もあるが、「目の前の状況に焦る部分もありますが、長期的視点で正しいと思える行動を一緒に選んでいきましょう!」と呼びかけた。【佐藤成】

◆星野光樹(ほしの・こうき)1992年(平4)7月4日、東京都生まれ。筑波大学付属中学・高校、早稲田大で同級生だった一平(27)とコンビを組み、Gパンパンダを結成。16年ワタナベコメディスクールに入学、卒業後の17年デビュー。18年、「NHK新人お笑い大賞」で優勝。相方の一平は高IQグループ「JAPAN MENSA」会員というインテリコンビ。

◆持続化給付金 感染症拡大により、大きな影響を受けている事業者に対し、事業の継続など事業全般に広く使える、給付金。中小法人等は上限200万円、個人事業主等は上限100万円。対象は新型コロナウイルス感染症の影響でひと月の売り上げが前年同月比で50%以上減少しているなどの条件を満たす事業者。

◆公共料金支払い猶予 経産省から料金の支払い猶予等の要請を受けた電気やガスなど各事業者が実施する措置。対象は新型コロナウイルスの影響で緊急小口資金または総合支援資金の貸付を受けた人で一時的に料金の支払いが困難となっている人。

◆住居確保給付金 もともとは失業者などの家賃を原則3カ月補助する制度。新型コロナウイルスにより経済的に打撃を受けた人にも対象が拡充され、東京23区の場合、収入要件は単身世帯で13・8万円、2人世帯で19・4万円。資産要件は単身世帯で50・4万円、2人世帯なら78万円となっている。居住先の市町村の自立相談支援機関で申し込みが可能。

◆緊急小口資金の特例貸付 申請先は居住先の市区町村社会福祉協議会。対象は新型コロナウイルスの影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸し付けを必要とする世帯。上限20万円で無利子で保証人も不要。据え置き期間は1年で、償還期限は2年。