配信大手Netflixは22日、日本国内の映画やテレビ番組の制作従事者の生活を支援する「Netflix 映画・テレビドラマ制作従事者支援基金」の設立を発表した。

新型コロナウイルスの影響で、全世界で数多くの映画やテレビドラマの製作が延期、停止を強いられる状況が続く中、日本国内の映画・テレビドラマ製作に従事する極めて生活への影響が大きい関係者を、短期的に支援することを目的とした救援基金となる。

応募は28日午後1時ころに救済基金のホームページ内に公開予定の応募フォームで受付を開始する。支給額は1口10万円で、1000人程度に申し込みから2週間程度で支給する。募集期間は6月末日までで、先着順で応募数が支給可能額に達した時点で終了する。

支給対象は国内の映画、テレビドラマ製作に従事するフリーランスのスタッフで、新型コロナウイルスの影響によるプロジェクト延期・停止が証明できる人。証明に関してはNetflixオリジナル作品は除く。対象職種は

・演出部門(助監督など)

・制作部門(制作進行・演技事務・車両担当など)

・撮影部門(特撮・特機・視覚効果など、助手も可)

・照明部門(助手も可)

・録音部門(音響・効果等、助手も可)

・美術部門(装置・装飾・衣装・結髪・メーキャップ・ヘアメーク・特撮美術等、助手も可)

・編集部門(助手も可)

・スクリプター部門(助手も可)

Netflixコンテンツ・アクイジション部門ディレクターの坂本和隆氏は「人々に喜びをもたらす作品を届けることが、コンテンツづくりの使命です。これまでNetflixがメンバーに数多くの素晴らしい作品をお届けしてこられたのも、日本の制作関係者の存在があったからこそです。今回の取り組みが、現在大きな打撃を受けている映画やテレビドラマの映像制作に関わる方々の支援に繋がることを願っています」とコメントした。

「Netflix 映画・テレビドラマ制作従事者支援基金」の事務局運営業務は、特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)が受託し、募集から支給までの業務を行う。Netflixは基金設立にあたり、既に3月に発表済みのクリエーティブ業界を支える目的で設立された支援基金から、約1億円をVIPOに拠出した。VIPOの槙田寿文事務局次長は「この度のネットフリックス社の救済基金の趣旨に賛同し、事務手続きの代行をすることとなりました。困難な状況にある映像制作スタッフの皆様の一助となれば幸いです」とコメントした。