新型コロナウイルスの流行が長期化するなか、異業種の参入が相次ぐマスク生産の中で、本格的な夏に向け、各社は「夏用マスク」の生産・販売に力を入れている。

イオングループの衣料品販売を行う株式会社コックス(東京・中央区)は、14日から大人用マスクの予約販売を開始した。従来販売していた布マスクに、触れたら冷たさを感じる「接触冷感」の要素を加えた。

総合企画室の白鯛有希さんは「マスクを着けて過ごす初めての夏を、快適に過ごせるようにと開発しました」と話した。十分な在庫を備えているといい、6月からは店頭でも販売する予定だ。

一方で、通気性を重視したマスクを手掛けるのが、刺しゅうなどを手掛ける株式会社イトダネーム(大分市)だ。使用者の飛沫(ひまつ)を防止すると同時に、ポリエステル素材で「速乾性」にも力を入れた。

特販部の本山純康さんは「(従来の)布マスクより熱がこもらないです。汗をかくと感じる気持ち悪さも軽減されています」。現在は1日100件程度の問い合わせがあるという。

ファーストリテイリングでも、傘下のカジュアル衣料品店「ユニクロ」で、機能性肌着「エアリズム」に採用している通気性や速乾性に優れた生地を使用したマスクの販売を今夏に始める。

各社とも特長を押し出したマスクを開発している。【南谷竜則】