コロナ禍は、「かにぱんお姉さん」も直撃していた。三立製菓(浜松市)広報担当の望月沙枝子さん(年齢非公表)は、ド派手な衣装で主力商品「かにぱん」をPRする人気者。子ども向けイベント「かにぱん教室」を続けてきたが、最近は休止状態だ。このほど、日刊スポーツの取材に応じ、教室の内容を説明。9月再開を希望している。4月から月1回の冠テレビ番組を担当し、かにぱんの売り上げ増にも貢献。自称「永遠の17歳」の今を追った。

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新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、望月さんが2013年8月から行ってきたかにぱん教室が休止している。子ども向けの食育や知育が目的。カニの形をしたかにぱんをちぎり、トンボやセミ、携帯電話に変化させる。パーツの並べ替えで、キリンやウサギにも変身。グー、チョキ、パーのじゃんけんにも使える。

望月さんは子どもが大好きで、県内各所で教室を行ってきた。当初は制服で行っていたが、17年10月から派手すぎる現在の衣装に変更。「ロリータ服を着るのが夢だった」。子ども受けが格段に良くなり、すぐに仲良くなれたという。「遊んだ後においしく食べてもらえます。作り方が最近、少し変わったので、さらにおいしくなりました。引き続きよろしくお願いします」とPRした。新型コロナウイルスの収束状況にもよるが、「早ければ9月には子どもたちの前に立ちたい」と望んでいる。

最近はテレビ出演が増え、知名度を上げている。昨年10月には「霜降り明星のあてみなげ」(静岡朝日テレビ)にゲスト出演。今年4月から月1回放送の「かにぱんお姉さんの!秘密のキッチン」(同)も始まった。5月にマツコ・デラックス出演のバラエティー番組「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)でも紹介され、「街中で、知らない人からも声を掛けられた。反響がすごかった」。次回の「秘密のキッチン」は7月20日放送予定で、かにぱん天丼を披露する。

以前は、三立製菓の看板商品「源氏パイ」の静岡限定品(ピアノ柄)で、企画立案からパッケージデザインまでを手がけ、社長賞を受賞。かにぱんの普及活動でも、今年までの約6年で販売個数を4割増に導き、一時は販売制限がかかるほど。2度目の社長賞を受賞した。「好きな衣装を着られて会社に貢献できて、うれしいです。今後は『かにぱんお姉さんパン』という新商品ができたらうれしいんですけど…」。望月さんが自身をイメージしたパンをちぎる日が、来るかもしれない。【倉橋徹也】

◆かにぱん 1921年(大10)創業の三立製菓は、ウサギやコアラ、パンダ、ボウリングのピンなど、さまざまな形のパンを作って販売。74年にカニの形の「かにぱん」を売り出した。ちぎって食べると適度な大きさになり、食べやすさで人気に。原材料にカニは使っていない。パンを割れ目に沿ってちぎって、パーツを組み合わせる食べ方が、子供の創造力の養成に効果的とされている。