将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が初防衛を目指す木村一基王位(47)に先勝した、第61期王位戦7番勝負第2局2日目が14日午前9時から札幌市「ホテルエミシア札幌」で始まった。両者、羽織はかまにマスク姿で対局室に入り、着座した。初日の指し手を、初手から再現した後、立会人の深浦康市九段(48)が封じ手を開封。前日、初めて体験した藤井七段の封じ手は後手8六歩だった。

第1局は、藤井がエース戦法の角換わり腰掛け銀から終始、主導権を握って押し切っている。今回は先手の木村が、1手でも間違えれば形勢が大きく傾き、まとめきれなくなる相掛かりに誘導している。藤井が連勝するか、木村がタイに持ち込むか。目が離せない。

持ち時間は各8時間で、初日の消費時間は先手の木村が3時間32分、後手藤井が4時間6分。残りの時間(木村4時間28分、藤井3時間54分)を使って戦う2日目は昼食休憩を挟んで、夕方に決着の見込みだ。

なお、日本将棋連盟では、13日に後手番の藤井が初めて書いた「封じ手」の用紙を希望者に販売する。収益金はチャリティーに役立てられる。木村が札幌入りした12日に提案し、藤井も同意。通常、封じ手の封筒は2通で、1通は立会人が預かり、もう1通はホテルの金庫で保管される。今回はチャリティー用に1通増やした。収益金の贈り先は、九州を中心とする豪雨被災地などを想定しているという。