藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が12日、都内で行われた「将棋日本シリーズJTプロ公式戦」準々決勝で、豊島将之竜王(30)に108手で敗れた。これまで4連敗と最も分が悪い相手に、またしても黒星を喫した。先手番の藤井が仕掛けたが、しっかり受けられて反撃を許し、最後は一方的に攻め込まれた。「積極的に攻めていったが、途中で見失って、内容的にはまずかった」と、敗戦の弁を述べた。

今月22日には、王将戦挑戦者決定リーグ戦も開幕する。初戦は、羽生善治九段。気持ちを切り替えて臨むしかない。昨年の同リーグでは挑戦権獲得まであと1勝としながら、広瀬章人八段との直接対決に敗れ、今年6月の棋聖戦まで持ち越された。

王将リーグは藤井、羽生以下、広瀬、豊島、永瀬、佐藤天彦九段、木村一基九段と新旧タイトル獲得経験者がそろう。18歳を迎えての目標は、「強くなりたい」。腕を試すには絶好の場だ。

8大タイトル戦で年内に挑戦権獲得の可能性があるのは、これだけ。豪華の顔触れのリーグを勝ち抜いて挑戦権を獲得すれば、年明け早々から開始予定の渡辺明王将(名人・棋王=36)との7番勝負が控える。ここで先に4勝すれば、年度内3冠となる。