石破、菅、岸田各氏は12日、日本記者クラブ主催の公開討論会に出席した。消費税増税をめぐる発言で波紋を広げている菅氏は、日本記者クラブ主催の公開討論会でも火消しに追われた。「総理が『10年は引き上げない』と言っている。それは私も全く同じ意見である」と語気を強めた。

菅氏は10日夜、テレビ東京の番組で「国民の皆さんにお願いして消費税は引き上げざるを得ない」と発言し、11日の会見で、当面は10%を据え置くべきとの認識を示し、発言を事実上修正。発言に関する質問が飛ぶと「誤解があってはまずいので、説明させて欲しい」と硬い表情で話し始めた。「私は将来まで否定すべきじゃないと思った。10年は消費税は考えないということだ」「私はアベノミクスを(首相と)やってきた張本人で成功させてきている」と釈明したが、すっかり弱点になってしまった。

一方、第2次安倍政権の「負の遺産」といわれる森友問題への対応については「財務省で調査をした。結果は出ている」と、再調査に否定的な考えを表明。石破氏は「必要なら再調査すべきだ」と述べ、岸田氏も「説明が十分かどうかは、説明する側ではなく受ける側が納得したかどうかだ」と主張、菅氏との違いが出た。本格的な論戦は終了。3人は14日の投票に向けて、国会議員票固めの追い込みに入る。【佐藤勝亮】