大手コンビニエンスストアで、秋冬の定番商品おでんが、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、例年とは異なる販売方法で始動している。

ローソンでは、一般成人男性の身長を想定して飛沫(ひまつ)を防ぐ、高さ77センチのアクリル板「おでんシールド」を設置。担当者によると「おでんシールドのネーミングがかっこいい」。「飛沫防止対策がしっかり取れている」など、ネットでの反響も良好だ。

客とのやりとりを極力減らすために、具材の価格を90円(税込み)に統一。大根、たまごなどを含む人気の具材5種をまとめた「定番セット」(税込み398円)も用意した。

ファミリーマートでは、セルフ販売を取りやめた。常に鍋のふたを閉め、販売時のみ店員が取りわける。さらに、今年1月から3月まで販売し好評だった「レンジアップおでん」を10月から再び販売する。注文を受けてから温める、パック詰めおでんで、廃棄率を下げる狙いもあるそうだ。

1977年からおでんを販売してきたセブン-イレブンでは、レジ横の鍋おでんに加え、総菜コーナーにカップスープタイプの「味しみおでん」(税別298円)を投入。家で温める「おうちごはん」などの新たにニーズに対応した。

広報担当者は「同じ鍋でさまざまな具が一緒に煮込まれるレジ横のおでんとは、しみ込み具合で若干の味の違いがありますが、基本的な具材の大きさやだしの味は同じです」とこだわりを話した。今季のおでん商戦は「新しい様式」で本格化していく。【沢田直人】