藤井聡太棋聖・王位(18)が21日、大阪市の関西将棋会館で指された第79期名人戦順位戦B級2組で、村山慈明七段(36)を破り、開幕から無傷の5連勝とした。各10局を戦う順位戦B級2組は今期25人が参加し、上位3人がB級1組へ昇級する。藤井は前半戦を全勝ターンし、首位をキープした。

戦型は横歩取り。9月12日の「日本シリーズJTプロ公式戦」準々決勝での豊島竜王戦、同22日の王将戦挑戦者決定リーグ初戦、羽生九段戦では、藤井はいずれも横歩取りで黒星を喫した。過去の対戦成績は村山の1勝0敗。藤井は村山の横歩取りへの誘導を受けて立った。終盤まで互角だったが、最後は持ち前の鋭い攻めで投了に追い込んだ。

順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。昇級には9勝1敗、10戦全勝の好成績が必要になる。谷川浩司九段(58)が持つ名人獲得の史上最年少記録(21歳2カ月)を更新するには、今後の順位戦をすべて1期で昇級する必要がある。難敵を倒しての全勝ターン。最年少名人へ、負けられない戦いが続く。【松浦隆司】