豊島将之竜王(叡王=30)に羽生善治九段(50)が挑戦する、第33期竜王戦第2局が22、23日の2日制で名古屋市中区「万松寺」で行われた。22日午前9時から始まった対局は、23日午後5時10分、96手で後手の羽生が豊島を破り、対戦成績を1勝1敗とした。

豊島の1勝のリードで迎えた第2局。前人未到の通算タイトル100期を目指す羽生が底力を見せた。対局は角換わりの戦型で始まり、激しい中盤に入った60手目を羽生が封じて1日目を終えた。ほぼ互角で迎えた2日目、羽生は豊島の研究に負けない底力を見せ、リードを奪う。最後は鋭い寄せを連発し、押し切った。

羽生は「きわどい展開で、難しい局面が続いていると思っていた。最後に寄せの手順が見えて、勝ちだと思った」と第2局を振り返った。

羽生は17年に竜王を奪取し、自身の通算タイトル獲得記録を99期に更新した。だが、18年の名人戦で挑戦して敗退、棋聖戦で豊島にタイトルを奪われると、竜王戦でも広瀬章人八段に敗れ、27年ぶりに無冠となった。羽生にとって、今期の竜王戦7番勝負は、2年ぶりのタイトル戦だった。

7冠制覇、永世七冠など、数々の金字塔を打ち立てた将棋のレジェンドが通算タイトル100期を懸けた大勝負で1勝を挙げ、対戦成績をタイに戻した。「引き続き、いい将棋を指せるよう頑張っていきたい」と次局への抱負を語った。

一方、敗れた豊島は、「自信がなかった。気持ちを切り替えて頑張ります」と話すにとどまった。

竜王戦7番勝負は先に4勝を挙げた方がタイトルを獲得する。第3局は11月7、8日に京都市「仁和寺」で行われる。