政令指定都市の大阪市を廃止し4特別区に再編する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が1日午前7時から、市内365カ所の投票所で始まった。午後8時に終了し、即日開票される。通常の選挙と異なり、投票日当日も街頭演説が可能なため、各党は市内でマイクを握った。投票締め切りの瞬間まで「最後のお願い」は続く。

推進派の大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長(56)、代表代行の吉村洋文大阪府知事(45)は1日午後、維新の聖地でもある大阪・なんば高島屋前で街頭演説。吉村氏は「大阪の未来を決める日です。大阪を成長させ、次世代につなぎたい。ワクワクさせる大阪を作りたい。みなさんの1票が頼りです」と訴えた。

街宣カーの上に松井氏が登場すると、吉村氏は「松井さんは若干、疲れ気味です。その分、若い僕が頑張る」と声を張り上げた。

マイクを握った松井氏は「拍手ではなく、お願いしますよ。みなさん! ここで拍手をして『ああ、おもしろかった』ではなく、ぜひ投票に行ってくださいよ~」と“最後のお願い”をした。

住民投票は、賛成が1票でも反対を上回れば、25年1月1日に新制度に移行し、政令指定都市が1956年の制度創設以来初めて廃止される。賛否同数、もしくは反対票が上回れば大阪市の存続が決まる。

市選挙管理委員会によると、午前11時集計の投票率は11・16%で、前回同時刻を2・99ポイント下回っている。