1日の新型コロナウイルス新規感染者数が18日、初めて全国で2200人を超えた。東京都でも過去最多の493人を確認。都では今日19日の医師や有識者で構成されるモニタリング会議で、9月10日以来となる警戒レベル最高段階への引き上げが判断される見込みだ。都内の感染者の累計は3万5722人。神奈川、埼玉、静岡などでも過去最多となるなど「第3波」は、全国的に悪化の一途だ。

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過去最多493人。8月1日の472人を大きく上回った。都では感染状況に関し、4段階の警戒度を最高レベルの「感染が拡大している」に1段階引き上げる方針だ。19日のモニタリング会議を経て決定。最高レベルになれば9月10日に1段階引き下げて以来、約2カ月ぶり。今月12日には現状のレベルのまま、表現を「再拡大に警戒が必要」から「感染が拡大しつつある」に切り替えて警戒を呼び掛けていた。医療提供体制の指標については、深刻な方から2番目の水準を据え置く見通しだ。

報道陣に対応した小池百合子都知事(68)は「実は過去最多がもう1つあります。検査数です。8600くらい」と切り出した。検査数を増やして、無症状の陽性者を確認することの重要さも強調。一方で、重症者数は前日17日の42人から3人減って39人となった。「陽性者数はこれからも増えると思いますが、基本は重症者数をいかにして抑えるか」と今後も重症者数に注視する意向を示した。

また、18日夜にはBSフジ「プライムニュース」に出演。これまでの体制は1日の新規感染者が600人を想定して医療体制の準備やホテル確保などを進めてきたが、今後は1000人を超えることを想定していく考えを示した。

この日の感染者数の年代別の内訳は、65歳以上の高齢者が77人に上っており、重症化のリスクが懸念されそうだ。最多は20代の123人で、30代が92人、40代が89人、50代が66人と続いた。同知事は報道陣に対し、「かなり世代的に広がりが出ている。世代や地域などを見て、専門家の意見を聞いていきたい」とした。

今週末は3連休でもあり、感染リスクが高まる恐れも懸念されている。「Go Toイート」などにより、飲食の機会も増えている。「大人数は賛成しない。大声でワイワイになる。マスクはこまめにして、お小皿に取り分けるなど基本を守って」と同知事。感染拡大の歯止めに、新たな具体策がないまま、冬に突入しそうだ。  【鎌田直秀】