民間のPCR検査にトライしてみた。政府による新型コロナウイルスのワクチン接種がスタートしたが、いまだ緊急事態宣言下。取材で不特定多数の方とお会いすることが多いだけに1度は検査結果を知りたい。そこで全国最安1980円(税込み)のPCR検査「SmartAmp Station(スマートアンプ ステーション)“駅前検査”」を訪れた。

JR東京駅八重洲口から徒歩約10分の好立地に昨年12月にオープンし、「累計で約3万件、現在は1日に1000件~2000件の検査を受け付けています」(運営会社ダナフォーム広報担当)という。1部上場企業が全社規模での検査契約や学校などから受注も増えており、コロナ禍の今を色濃く反映している。

オンライン予約して、実際に検査を受けたが、自己採取方式で拍子抜けするほど、シンプルかつ短時間で終了した。専用の細い綿棒を密封された袋から取り出して口に入れ、舌の上で30秒間、唾液を採取して試験管に入れて栓をして専用の袋に入れるだけ。所要時間はわずか40~50秒ほど。

今回の検査方法は神奈川県衛生研究所や理化学研究所などが共同開発した「スマートアンプ法」で「唾液を直接試験管に入れるやり方よりも飛まつなどが周囲に飛び散るリスクが少ない」(広報担当)という。

検査したのは午後6時すぎで、結果は翌日にスマホにメールされた。「陰性」の小さな文字に大きく安堵(あんど)した。民間検査なので「陽性」と判定された場合は保健所などの行政や、病院の指示に従い、検査を受けることになる。

定期的な検査の必要性も感じた。同社では2970円(税込み)の郵送キットもある。「家族分を購入されたり、1人で10組を購入されて、定期的に検査される方も」(広報担当)。

約2時間30分のスピード判定する別コースもある。検査後、東京駅から新幹線で新大阪駅に到着するころには結果が、スマホにメールされる。春休みには移動する人の増加が見込まれるだけに、PCR検査の需要はさらに高まりそうだ。【大上悟】

◆PCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応=Polymerase Chain Reaction) 新型コロナウイルスの遺伝子を増幅させ、ウイルスが検出されるか、どうかを検査する方法。厚生労働省で承認された試薬が用いられる。保健所などの行政が行う疫学調査は検査費用が無料。医療機関で症状などから医師が必要と認めて行う臨床検査は保険適用される。症状がない人などが医療機関で希望して受ける自費検査は保険適用されず2~4万円前後。民間が独自に行う検査では直接検査や郵送検査で費用は1980円~1万円台まであり、検査キットの新規参入が続く。ドラッグストアなどでも郵送キットが2980円(税別)から、販売されている。