大阪府の吉村洋文知事(45)が、26日に開かれた府の新型コロナウイルス対策本部会議で「あごかけマスク会食」の実演を披露し、徹底を呼び掛けた。

同会議で、吉村知事は「大阪府の知的レベルを疑われるかもしれないけど、これは僕の知的レベルということで」と前置きしながら、右手、左手をそれぞれ、両耳近くにスタンバイさせ、タイミングよくひもを持ってマスクをあごまで下げ、再び上げた。

「このやり方で広げていきたい。大阪府の行政として、こんなことを言うのはどやねん! というのがあるのかもしれないけど、行政でよくあることは出来ないこと、100点満点を求めておいて、結果は知らんぷり。これはやり方としてはよくない」。やる気満々で攻めの姿勢? を強調した。

政府が新型コロナウイルス緊急事態宣言に関し、岐阜、愛知の東海2県と京都、大阪、兵庫の関西3府県、福岡の計6府県について2月末での解除を決定したことを受け、行われた府の対策本部会議では春シーズンの感染の再拡大を防ぐため「飲み会や会食は4人以下にし、マスクの着用」「歓送迎会や謝恩会、宴会を伴う花見の自粛」を呼び掛けることを決定した。

これまで飲食店での飛沫(ひまつ)を防ぐため、飲食の際はマスクの片方の耳ひも部分を持ってゆっくり丁寧に外し、食べたり飲んだりした後で再び着用して会話を楽しむ「マスク会食」などが呼び掛けられたきたが、定着はしなかった。

大阪バージョンには上品さはないが、手軽さがあり、一気にあごへマスクをずらすことができる。飲食の際の見た目について「少しみんなに笑われるかもしれないけど」と吉村知事。大阪市の30代の会社員男性は「お酒が入ると気が緩んでしまうから、どうかな」と話した。【松浦隆司】