福島県楢葉町・広野町にまたがるJヴィレッジから前日25日にグランドスタートした東京五輪聖火リレーが26日、同県内9市町村で行われた。福島市区間では折り紙アートプロジェクトでギネス世界記録を打ち立てた神酒太郎さんらメンバー9人、日本生命の桜井英樹福島支社長らが参加。沿道から温かい拍手を送られ、約200メートルをかみしめながら走った。

神酒さんは「福島の誇り、絆の大切さを世界に届けたい」という思いで聖火ランナーに応募した。午後0時半ごろ、福島県庁駐車場に設置された特設会場で、前走者の桜井支社長とトーチキス。トーチに火をともすと8人のグループランナーとともに、ゴール地点の県庁へ向けて出発した。

ギネス世界記録は東日本大震災から9年となる昨年3月11日に「折り紙でつくったメダルの最多展示数」として、これまでの記録7000枚を大きく上回る9600枚が認定された。構想から約6カ月。小学1年から50代まで約600人がプロジェクトに参加し、1枚1枚に思いを込めて59市町村からなる福島県をかたどった作品を完成させた。

聖火リレーを終え神酒さんは「前々から一生の思い出になると言われてましたが、沿道でたくさんの方に応援していただいて、今後はないような経験ができました」と充実感をにじませた。「聖火が日本全国を巡り、東京から世界へつながっていきます。復興の思いが世界に届いてほしいです」と願った。【山田愛斗】