東京五輪の聖火リレーは30日、3県目となる群馬県でスタートした。館林市から前橋市までの7市町村をつないだ。

前橋市の最終走者に、1956年(昭31)コルティナダンペッツォ五輪アルペンスキー男子回転で銀メダルを獲得し、欧州人以外では初の冬季五輪メダリストとなった猪谷(いがや)千春さん(89)が登場した。

雨の中、しっかりとした足取りで務め、沿道にも手を振った。北海道国後島生まれだが、スキーの技術を磨いたのは、父六合雄さんが旅館を営んでいた富士見村(現前橋市)の赤城山だ。「前橋は私のふるさとですし、自国で走るのは最高ですね。まずはコロナをコントロール出来るようにして、選手たちが安心して、安全に臨めるようなオリンピックにしなくてはならない」。冬季長野五輪や、東京五輪の誘致にも尽力した、元国際オリンピック委員会(IOC)副会長としての顔ものぞかせた。