任期満了に伴う東京都議選(7月4日投開票)が25日告示され、9日間の首都決戦がスタートした。次期衆院選の前哨戦で、各政党は初日から総動員態勢。前回2017年に歴史的惨敗を喫した自民党は菅義偉首相、安倍晋三前首相(66)ら大物がリベンジを期した。

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安倍前首相の退任後初となる選挙応援演説は晴れやかだった。25日、東京・尾久八幡神社で自民党の都議選荒川区候補者を激励。境内の“特設ステージ”に立つ直前に、約1時間降った雨が上がり「私は日本で3本の指に入る晴れ男と言われています」と笑顔を見せた。約300人を前に「1964年のオリンピック、パラリンピックは覚えていますか? 生まれていない方も多いかと思いますが」と高齢者の笑いを誘うと、「当時、私はまだ、かわいい小学生。かわいいかどうかは議論があるかと思いますが」と自虐も笑いにつなげた。首相での五輪はかなわなかったが「コロナ下で成功させることが世界の希望につながり、勇気を与える」と願った。

前回の都議選は森友学園など問題が相次ぐ中、秋葉原駅の街頭演説では「安倍ヤメロ~」などの罵声に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と応戦。都民の不信感となる発言が大敗の一因となった責任は痛感している。「経済再生していくように、活力のある日本を復活させていきましょう」と力を込めた。