“ヤンキー先生”で知られる受験古文講師、吉野敬介さん(55)がユーチューブで雑談だけの無料動画番組「吉野敬介の爆笑予備校」を7月1日からスタートさせる。

昨年、吉野さんは教育費の無料化を訴えて、誰もが無料で見られるユーチューブの古文授業を始めた。

吉野さん 日本は誰にでもチャンスがあっていいはずでしょ? でも、不公平なんだよね。勉強をしたくてもお金がなければ塾や予備校にいけない。家の経済状況で子どもの向学心を尻すぼみにさせてはいけない。だから、無料の古文の番組をつくったんです。

昨年12月までに115本の古文の授業動画をつくった。そのほとんどが10分。

吉野さん 子どもに飽きさせずに最後までみてもらう限界が10分だと思っている。ただし、1本たった10分だけど、これを100本見てください。古文の成績は必ず上がりますから。

順調に再生回数も伸びて、再生は75万超を記録した回もあるぐらいだ。ただし、問題点も浮上してきた。

吉野さん 子どもらが飽きてはいけないのは時間だけではなく、内容も同じ。最後までみてもらうには雑談を織り交ぜて勉強への意欲を強くもってもらう。でもね、この動画では、投稿されたコメントを読んでいると、どうもその雑談が注目されているようなんです。そこで、そんなに喜ばれるんなら、雑談だけの番組をつくってみるか、ということになりました。

映像や撮影の得意な教え子がいて、無料古文動画の製作会社とは別に“雑談部隊”を結成して「吉野敬介の爆笑予備校」というタイルトルで雑談だけの番組をつくることを決めた。配信初回は7月1日午後7時に設定した。

吉野さん みんなさ、コロナで外に出られずにうっぷんだけためて巣ごもりしている、とオレは思うんだよね。だったら、オレごときの雑談で何かやる気が起きたりするんなら、本末転倒になるけど授業ではなくて雑談だけで番組しちゃおうという企画ですね。

吉野さんの講義の中における雑談は暴走族時代の失敗談や、勉強ができなかったころのエピソードなどが中心となる。

吉野さん ちなみに、この雑談、面白いですよ。今までの話をまとめるだけで200回ぐらいはしゃべれる。1日の第1回は話題のドラマ「ドラゴン桜」についてしゃべっています。あの番組を試しにみたんだけど、面白いね。あんな風に勉強ができるなんてありえないけど、ドラマをみて受験生のやる気に火がつくならいい。オレなんか感動しちゃって、最終話は2回みて、2回泣いたもん。

今後、週3回前後の更新をして1回につき8分を無料配信していく腹づもりだ。面白い話に飢えてテレワークを続ける層をターゲットにしている。コロナ禍に受験生以外にも吉野さんの雑談力に引きつけるかもしれない。【寺沢卓】