立憲民主党などは19日、「東京オリンピック総点検野党合同チーム」ヒアリングを開催し、感染症対策で大会関係者と一般人の接触を遮断する「バブル方式」の欠陥を指摘した。これを受けた内閣官房オリ・パラ推進本部は「この記載では誤解を招く。白紙に戻して見直す」と、大会関係者の宿泊ホテルなどに配布済みの「15分ルール」と呼ばれる公式通達の白紙撤回を表明した。

公式通達には英文で「入国から14日間を経過していないので、外出簿にルームナンバー、出発時間を記載してください。お戻りになりましたら戻り時間を記載してください。15分以内に戻るようにお願いいたします」と明記され、短時間の外出は自由となっている。

だが、現場では外出や帰着をチェックする行動監督者の不足が問題となっている。合同チームは「ホテル側から組織委員会に対して監督者を要請した」が、組織委員会から「派遣できない」と回答があったという例を示した。監督者の多くは英会話が堪能でなく、指示や説明ができず、事実上の野放しとなっているケースも少なくないという。立憲民主党の山井和則氏は「今までの菅総理や政府の説明が事実と異なる」と厳しく批判した。

内閣官房によると、15分間ルールが適用される選手以外の大会関係者は約5万人。政府や組織委員会は宿泊先のホテルなどに行動監視員を配置して、指定コンビニ、個室飲食店に監督者が帯同、対応するなどと説明してきた。開会式を目前に「バブル」の穴は感染症対策に懸念を広げる。バブル方式の実効性が揺らぐ事態となった。