菅義偉首相は3日、自民党本部で行われた臨時役員会で総裁選(17日告示、29日投開票)に出馬しないことを表明し、30日までの総裁任期を務め、退陣する意向を示した。

菅首相は再選に意欲を示し、前日2日には二階俊博幹事長に出馬を正式に伝達したばかりだった。だが、新型コロナウイルス対策で国民から批判は高まり、内閣支持率は急落を続けている。総裁選前に二階幹事長を交代させる異例の党役員人事を打ち出したことに党内からも反発は高まり、求心力が低下していることなどを受け、急転直下の再選断念に追い込まれたものとみられる。

役員会後に会見した二階幹事長は、菅首相から「役員会で菅総裁からコロナ対策に専念したいということで、総裁選不出馬」を伝えられ、「党役員人事を撤回されました」と、二階幹事長らの人事が白紙に戻ったことを明らかにした。

総裁選には岸田文雄前政調会長が出馬を表明し、菅首相と対決の構図が軸とみられていたが、菅首相の不出馬で構図は大きく変化する。出馬に意欲を示す高市早苗前総務相や、石破茂元幹事長らの動向が今後注目される。