小泉進次郎環境相は29日、自民党総裁選の投開票を受けて、自身が支援した河野太郎行革相が敗れたことについて、報道陣の取材に「全力で応援して負けました。完敗に近い。全力でやって、壁は厚く、高かった」と述べた。「負けは負けです」というフレーズを、何度も繰り返した。

敗因について「分析が必要と思うが、なかなか国民のみなさんからは分からないような票の動き、議員の動きはあったと思う」と述べた。河野氏の議員票が3位になるなど、すさまじい票の獲得合戦が展開された。リアルな党内の権力闘争に接した感想について「戦わないと見えてこないものが多く見えたし、立場を明確にして戦わないと得られない友も仲間もできた。しかし全力でやって負けた。今回の教訓を生かし、次に向けて進んでいけるように努力したい」と述べた。

派閥の力は影響したかの問いには「やはりありますよね。政治の現実、自民党の現実として重く受け止めないと、教訓は次に生かされない」と話した。「岸田陣営は、総合力を発揮した」と、敵陣をたたえた。

今後については「コロナの第6波をいかに防ぐか。菅首相から引き継がないといけないグリーンやデジタル。こうした課題は1議員としてできることを全力でやりたい」と述べた。ポスト打診があった場合の質問も出たが「人事権は岸田総裁が持っており、私から申し上げることはありません」と述べるにとどめた。

岸田文雄新総裁には「変えたいという思いを誰より持っていた河野太郎さんに、(党員は)最も多く投票してくれた。国民、党員の声をしっかり生かして欲しい」と、注文もつけた。

その上で、進次郎氏は岸田体制でも党改革は必要だと強調。「今回、党員の皆さんの声は今のままの自民党でいいという声ではない。そういう声を体現しながら、前に進め、課題を1つ1つ乗り越えていただきたい。コロナでは、秋冬へ向けて不安を持っている方もいる。自民党として安心を尽くさないといけない」と、訴えた。

選挙戦について振り返り「河野選対には入らなかったが、できることはこれ以上できないというところまでできた」と述べた上で「目の前に選挙がある中で、時間を犠牲にしてやってくれた仲間が(衆院選を経て)必ず戻ってくれるよう、全力で恩返ししたい」とも話した。