秋篠宮家の長女眞子さま(29)が、結婚する小室圭さん(29)とその家族に対する誹謗(ひぼう)中傷と感じられる出来事を繰り返し経験し「複雑性心的外傷後ストレス障害(PTSD)」の状態にあると、宮内庁が1日、公表した。社会心理学者で新潟青陵大の碓井真史教授(62)は、病状回復には身近な人がこの病気を理解し、支えることが重要で、結婚後の新しい家族の責任は重いと言及。入籍後、皇籍離脱し、渡米する予定で、環境の変化は大きく、さらなるストレスになり得るとの懸念も明かした。

   ◇   ◇   ◇

PTSDは単純性と複雑性に分類されている。

碓井氏 単純性は大地震や列車事故などのような命に関わる出来事により、ショックが心に長く残る。ちょっとした揺れにおびえたり、電車に乗れなくなってしまったり。複雑性は命に関わるほどのことでなくても、いじめや虐待など、日々のつらい体験が積み重なって、フラッシュバックのような強い症状の他に、倦怠(けんたい)感だったり、夜に眠れなかったり、ぼーっとしてしまったり。普段から一緒に接している人でなければ、気づかないような症状の時もある。心の病気としては分かりにくいんです。

結婚する26日には会見も開かれる。規模や内容などの詳細は未定だが、結婚に対する厳しい質問を浴びる可能性もある。碓井氏は人前に出て会話することに問題はないと見ているが、質問内容によっては心配な面もあると言う。

碓井氏 原因が誹謗(ひぼう)中傷ということなら、そのような(質問となる)状態にさらされることは避けたほうが良いかもしれない。この数年間を思い出してしまうのでは。一般的には、この病気は無理をさせないことですが、腫れ物に触るようなこともダメ。やりがいや生きがいを周囲が見つけてあげることも大切です。

結婚後は、皇籍から離脱し、米国で小室さんと新婚生活を送る予定。義理の母となる小室さんの母との関わりも増える可能性がある。

碓井氏 一般論として、普通の状態だって女性が結婚し、新しい家族と生活することはストレスになることも多い。眞子さまの場合は秋篠宮家を離れて民間人となり、暮らすのは海外の知らない土地でもあり、変化が大きすぎる。環境を変えることが良い場合もあるが、今回はプラスにならない可能性もあると思います。

PTSDは投薬治療だけではなく、家族など一番近い周囲の理解と協力の上での認知行動療法が回復のカギを握ると言う。現実的に小室氏の仕事上、1人で過ごす時間も増える。どこまで寄り添い、気持ちを理解し、支えてあげられるのかが求められる。

碓井氏 小室さんには、眞子さまをしっかり守ってほしい。新しい家族となる小室家の責任は非常に重いですよね。【鎌田直秀】