岸田文雄総理による早業の衆院総選挙で、新党ファーストの会の国政進出が逆風にさらされている。4日就任した岸田新総理は14日に衆院解散、19日公示、31日投開票の前倒し日程を表明した。新総理誕生から史上最速の総選挙突入で、公募による候補者を予定していたファーストの会には打撃となりそうだ。各自治体でも、川崎市が24日に予定していた市長選と市議補選の投開票を1週間遅らせて“トリプル選挙”開催を決断した。地方選と日程が重なった全国約30市町村の選挙管理委員会もさまざまな対応に追われている。

   ◇   ◇   ◇

川崎市は有権者のため、コロナ対策のために“トリプル選挙”をあえて選択した。24日投開票の市長選、市議補選を、衆院選と同じ31日に変更。人口154万人超の大都市を管理する自治体として、同市選管の決断は迅速だった。選管事務局選挙課の上條敏男課長(51)は「コロナ禍もあるので、2週連続で投票に行くよりも、1回のほうが感染防止対策のメリットは大きい。入場整理券も2通届いてしまうので、違う選挙と間違って持参してしまう可能性もある」と説明。市職員だけでなく、町内会や自治会ボランティアの負担も軽減。期日前投票と通常投票の日程重複による誤投票防止などのトラブルも回避出来る措置だ。

さらに「投票率は地方選挙よりも国政選挙のほうが高い傾向にある」と、全体の投票率アップも狙いの1つ。川崎市長選メインキャラクターで10代に絶大な人気のモデル莉子(18)を起用したポスターも、日付を変更して刷り直しを開始。若年層にも国政、市政問わない投票啓発活動も労を惜しまない。

三重県伊勢市も市長選、市議選が重なり、準備に奔走している。市選管の東浦久修事務局長(53)は「11月7日か14日かなと思っていたのでビックリ。有権者の方がスムーズにストレスなく投票していただけるが大事」。この日も朝から関係各所と連絡を取り合った。当日は、投票所50カ所と開票所を含めて約600人で稼働する予定だったが、「安全対策、コロナ対策なども含めて、あと100人くらいの増員は理想」。人員確保にも頭を悩ませた。

この日、神戸市も市長選を24日から31日投開票に変更。他にも地方選を24日や、衆院選1週間後の11月7日に実施予定の自治体が約50あり、今後の変更も想定される。【鎌田直秀】