衆院選は31日、投開票され、新潟5区に無所属で立候補した米山隆一前新潟県知事(54)が当選確実となった。

午後8時の開票直後に吉報を受け、米山氏は9度、お辞儀して周囲に感謝の意を示した。

「いろんなところでご支援いただいて勝利をつかむことができました。感無量以外の言葉で言い表せない気持ちです」

米山氏は県知事時代の女性スキャンダルによって、マイナスからのスタートを余儀なくされた。選挙戦中の演説では「ご迷惑をおかけしたこと、おわび申し上げます」とたびたび謝罪していた。勝利後も「批判の声があるのはご承知している。いつまでも受け止めながら、精いっぱい仕事をしていきたい」と神妙な面持ちで話した。

当選確実を聞いた直後に、米山氏の横で、ジャンプして喜びを表現した、妻で作家の室井佑月氏(51)は「米山がみなさまとした約束を、これから果たすように、私がしっかりと見守っていきたいと思います」とコメント。室井氏は、米山氏とともに各地を回った。出陣式では米山氏にたすきを掛け、スーツの襟を直すなど、仲むつまじい姿を見せた。米山氏の地元魚沼市では「こちらに嫁いできました、室井佑月です」とあいさつし、支援者からの呼びかけには笑顔で答えていた。関係者は「室井さんのフォローが大きかった」と話した。

新潟5区で米山氏は立憲民主、共産、社民各党の支持を固め、野党統一候補として立候補。自民党前職の泉田裕彦元新潟県知事、無所属新人の森民夫前長岡市長が参戦し、三つどもえの戦いとなった。米山氏は勝因として自陣営のがんばりとともに、「構図に助けられたところはあると思います」と泉田氏と森氏による保守分裂をあげた。

夫婦二人三脚で駆け抜け、圧勝した米山氏は「(今よりも)もっとうれしいのは、今まで話してきた政策や未来像が実現できた時。そこに至る道は険しい。その道のりをぜひみなさまと一緒に歩いていって、世の中をよくしたい。より良い世の中を作ったと祝杯を挙げられるように全力で頑張っていきたい」と意気込んだ。【佐藤成】