31日午後7時56分、東京都調布市の京王線国領駅で刃物を持っている男がいると110番があった。警視庁などによると、60、70代とみられる乗客の男性が刃物で刺されて意識不明の重体。電車内で出火し、ほかに10人ほどが喉の痛みを訴えるなどして軽傷という。

警視庁が午後8時30分ごろ殺人未遂容疑で、24歳の男の現行犯逮捕した。刃物を押収。詳しい状況を調べている。捜査関係者によると、キャラクターの服を着ていたという。

京王電鉄によると、刃物を持って男がいると通報があったのは、京王八王子発新宿行きの特急電車(10両編成)。調布駅を出た後、本来は止まらない国領駅で緊急停車し、乗客は避難した。後ろから3両目の3号車の優先席付近にガソリンと思われるにおいがして、車内には煙が充満していたという。

また、電車内の5両目のシートから出火したとみられ、約30分後にほぼ消し止められた。男がライターオイルのような液体をまいたとの情報があるという。

目撃者の男性によると、電車は国領駅に到着後、すぐにドアが開かなかったため、乗客たちは窓から車外に脱出した。「『ボン』という音が聞こえ、後方から煙と炎が見えた。車内はパニックになった。男は車両のいすに座ったまま、抵抗もせずに警察官に身柄を確保された」と話した。

東京消防庁によると、同駅周辺には消防車やポンプ車など40台以上が出動した。

このため、京王電鉄は京王線のつつじケ丘~飛田給間、相模原線の調布~若葉台間の上下線で運転を見合わせている。

電車の中で起こった殺傷事件としては、今年8月6日に東京都世田谷区の小田急線車内で男に男女10人が切りつけられるなどして、重軽傷を負っている。