枝野幸男代表の辞任に伴う立憲民主党の代表選(19日告示、30日投開票)は15日も水面下の動きが活発化している。いまだ正式出馬に名乗りを上げる候補はなく、告示4日前も国会議員の推薦人20人の確保に躍起だ。本命不在のまま、構図も固まらず、舞台裏は混沌(こんとん)としている。

候補に浮上しているのは小川淳也元総務政務官、大串博志役員室長、泉健太政調会長、西村智奈美元厚生労働副大臣の4人だ。この日も候補者と支持議員が党幹部らを訪問し、協力を要請した。「2人の候補と直接、話し合った」と明言する有力議員もいた。

混沌の背景には、衆参両院で140人の同党では20人の推薦人確保のハードルが高いことにある。党内には枝野氏や小川氏も所属する最大グループ「サンクチュアリ」など複数のグループが存在するが、「サンクチュアリでも所属は25人ほどか、それより少ないはず。報道されている数字は疑問」(党幹部)と指摘する声もある。西村氏を推す菅直人元首相グループは公称約16人だが「実数は8人ほど」(党関係者)とされ、野田佳彦元首相らに近い大串氏、旧国民民主党出身の泉氏のグループも母体は20人以下とみられている。

自民党の派閥とは対照的に、あくまでグループで拘束力は弱く、「小川氏のように他グループと、かけ持ちも多い」(中堅議員)。グループ横断の活動も容認され、実数は把握しづらい。単独グループでの推薦人確保は難しく、他グループの協力が不可欠だ。

党刷新へ若手や女性に期待する意見もある一方で、ポスト枝野の、かじ取りを不安視する声も根強い。「最終的に3人に絞られる可能性がある」(ベテラン議員)との分析もあり、告示直前まで候補者を巡る情勢は流動的だ。【大上悟】