将棋の史上最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が渡辺明王将(名人・棋王=37)への挑戦権を獲得した。19日午前10時から東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグで、4連勝中だった藤井は午後7時12分、91手で3勝1敗と2位の近藤誠也七段(25)を下した。これでリーグ戦5連勝とし、ほかの在籍6人がいずれも2敗以上となったため、24日のリーグ最終一斉対局を待たずに、王将戦7番勝負初登場を決めた。

敗れた近藤は、「先手3六銀(53手目)と立たれた時、後手7五歩が甘かったかもしれない。直後の先手3三歩(57手目)から、流れるような手順にされてしまった」と残念がる。

今期の台風の目となっていた。2次予選から勝ち上がり、羽生善治九段(51)には敗れたものの、広瀬章人八段(34)糸谷哲郎八段(33)永瀬拓矢王座(29)には勝っている。タイトル獲得経験がある、ほかのリーグ在籍者6人に比べると、タイトル戦登場経験すらないため実績面で見劣りはするが、2年前の順位戦C級1組で藤井に土を付けていた。

これで挑戦権はなくなった。残留するには24日の最終一斉対局で豊島将之九段(31)に勝つしかない。「残り1局あるので、それに向けて全力を尽くしたいと思います」と語っていた。