囲碁の第46期新人王戦を制した外柳是聞(そとやなぎ・せぶん)三段(26)と、将棋の第52期新人王戦を制した伊藤匠四段(19)の表彰式が4日、東京・元赤坂の「明治記念館」で行われた。

外柳は、年齢制限ギリギリで初タイトルを獲得した。同じ故高林拓二七段門下では2013年に兄弟子の富士田明彦現七段(30)と、15年に同門の許家元十段(23)も獲得している。3人目の新人王だ。「プロになったときから意識して目標としてきた。思うように結果が出せず、自分への期待値も意識も低くなり、現実感がなかった。応援の言葉で心境が変化し、優勝しなければと思うようになった。同年代や年下の棋士が活躍しているなか、少しずつ成長していけたら」と謝辞を述べた。

伊藤は3日、王位戦の予選で日浦市郎八段(55)に勝って、同い年の藤井聡太王位(竜王・叡王・棋聖=19)への挑戦権を争う、挑戦者決定リーグ入りを果たした。昨年10月にデビューしたばかり。現役最年少棋士が、1年で公式戦を初めて制した。「ぜひ自分も新人王と思っておりました。うれしいと同時にホッとしております。また上り詰めていきたいという気持ちです。5歳の頃から指導してもらっていた師匠(宮田利男八段=69、引退)に少し恩返しができたかなと思います。新人王戦第1局の3日前に風邪をひいて、体調管理の大切さを痛感しました」と謝辞を述べた。

師匠からは謝辞で、「同い年の4冠と25歳までにタイトル戦で戦う日がくる。25歳までは酒とギャンブルは絶対ダメ」と厳命されていた。

新人王戦は、若手棋士の登竜門。囲碁では07年に井山裕太、昨年は、現在天元戦で14年の新人王一力遼天元の挑戦者となっている関航海太郎七段らがなっている。また、将棋では88年に羽生善治九段、05年渡辺明名人、18年には藤井4冠が獲得。名だたるタイトル保持者の優勝経験のある「出世棋戦」でもある。