「令和4年善光寺前立本尊御開帳記者発表会」が7日、都内で行われた。長野市にある善光寺では数え年で7年に1度、絶対秘仏であるご本尊様のお身代わりとして、同じ姿の「前立本尊」を開帳する。本来なら今年の春に開催予定だったが、コロナ禍のため1年延期されていた。

今回で43回目となる御開帳の期間は、来年4月3日から6月29日までの88日間。過去最長となる。これまでは57日だったが、約1カ月延ばした。会見に出席した善光寺の若麻績享則(わかおみ・たかのり)寺務総長によると、「参拝者の安心と安全を図るため、1日あたりの参拝者の分散を促す」という。

このほか、善光寺側では混雑予想カレンダーにより、混雑の予想を提示。旅行計画の参考にしてもらう。GPSデータにより境内などの時間ごとの混雑状況、駐車場の空き状況をリアルタイムで配信する。「ホームページも参考にしていただきたい」(若麻績寺務総長)。約1000人収容可能な、広さ1400平方メートル以上の本堂入り口では、内部が密にならないよう入堂制限もする。参拝者が触れる「回向柱」に、光触媒コーディングによるウイルス対策も施すとしている。

前回2015年(平27)の御開帳の際には北陸新幹線の金沢延伸も追い風となり、その前の09年の約673万人を34万人ほど上回る約707万人と、過去最多の参拝者を記録した。善光寺御開帳奉賛会会長でもある長野商工会議所の北村正博会頭は、「1137億円もの経済効果をもたらした」と説明する。

善光寺御開帳は日本一の門前町、長野市とその周辺エリアを活性化させ、PRする絶好の機会だ。新たな変異株である「オミクロン株」も含め、新型コロナウイルスの感染状況にもよるが、地元では前回を上回るか、前回並みの参拝者を期待している。