ZOZO創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(46)が乗り込んだ、ロシアの宇宙船ソユーズが国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功し、8日午後9時11分(日本時間9日午前1時11分)に、双方が繋がったハッチが開けられた。同氏と、同行して滞在の様子を撮影する関連会社役員の平野陽三氏(36)はソユーズからISSに入り、初めてISSに滞在する日本人の民間人となった。日本人の商業宇宙飛行は、90年の元TBS記者秋山豊寛氏以来31年ぶり2人目となる。

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前澤氏は「イエーイ!」と言いながらISSに入ると、両手を振って無重力空間を漂いながら満面の笑みを浮かべた。先にいた5人の乗組員と合流すると中央に陣取り、左拳を握り締めてガッツポーズ。早速、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地で打ち上げを見守った関係者と交信し「宇宙だよ~! ありがとう!」と歓喜の声を上げた。

「今、どんな気持ち?」と聞かれると「着いちゃったよ。本当にステーション、あったよ」と答えた。子どもから「パパ、身長伸びた?」と聞かれると「まだ伸びてないよ」と苦笑い。「帰ってきたら、たくさん話聞かせてね」と呼び掛けられると「いいよ、気を付けて帰ってね。ありがとう」と約束した。

前澤氏が乗り込んだソユーズMS-20は、8日午後12時38分(日本時間同4時38分)カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、約6時間後の同6時48分(同10時48分)国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功した。

前澤氏は、ソユーズがISSにドッキングするため、ファイナルアプローチをする中、操縦士のアレクサンダー・ミシュルキン宇宙飛行士が地球と交信している間

「ドッキングです」

「あと463メートル」

「わぁ、すごい」

「真下にステーションがいます」

「やべー」

「わぁ、でか!」

「かっこよすぎる」

「いえーい!」

と、独特の言い回しで感激の思いを日本語で連呼した。また平野氏も「あと70メートル」とカウントダウンし、ドッキングに成功すると「ナイスドッキング!」「ハロー!」などと歓喜の声を上げた。

今回、ISSに向かう目的の1つに、米宇宙ベンチャー「スペースX」と契約し、23年に予定する民間人初の月周回飛行を計画している宇宙プロジェクト「dearMoon」の、案内人として自身が一足先に宇宙を訪れることで、同乗するクルーの期待や安心感を、より高めるという狙いがある。ISSでやりたいことは? と聞かれると「100個、やることを決めていまして、それにトライしたい。YouTubeで世界に配信したい」と答えた。自身のYouTubeチャンネルで公開予定する動画の、100の撮影テーマを世界中から広く募集するプロジェクト「宇宙でやってほしい100のこと」をツイッターなどで展開しており、その取り組みに力を入れる考えを示した。

前澤氏はISSに12日間滞在し、20日にカザフスタンに帰還する予定。