東京都は16日、米国から8日に帰国し、自宅待機中だった都内に住む20代の女性が新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」に感染したことを確認したと明らかにした。

また、女性の濃厚接触者は知人の男性1人で、この男性が15日に新型コロナ陽性と判明。デルタ株ではないといい、オミクロン株の可能性がある。男性は12日に川崎市内でサッカー観戦していた。 20代女性のほか、関西空港検疫所職員もオミクロン株の感染が確認され、国内のオミクロン株感染者は34人となった。

都によると、20代女性は空港検疫では陰性だったが9日に発熱。10日に医療機関を受診し、13日に新型コロナの陽性と判明していた。新型コロナ感染が確認され,濃厚接触者と判断された男性がオミクロン株に感染しているかどうかは、早ければ17日にもゲノム解析で判明する。2人は入院中で、ほぼ症状がないという。それぞれ8月にモデルナ製ワクチンの2回目の接種を終えていた。

都によると、男性と女性は8、9日に会っていた。男性は10日にせきや発熱などの症状が出たが、11日には症状が治まり、12日に川崎市等々力陸上競技場でサッカーの天皇杯全日本選手権の準決勝を観戦していた。一緒に観戦した男性の家族3人と、職場の同僚7人が濃厚接触者として認定された。日本サッカー協会はスタジアムではマスク着用で声を出さない観戦方法が徹底されていたとしており、保健所からスタジアム内の濃厚接触者はいないと判断されたと明らかにした。一方、都は男性の席と同じ区画に座っていた周辺の観客約80人や男性の職場の同フロアの100人以上について、濃厚接触者ではないが、PCR検査を勧める。

小池百合子都知事はオミクロン株の水際対策を巡り、対象国・地域以外からの入国者が「すぐ自宅に帰されてしまう」と指摘し、「(国は)検疫をより確実にしてほしい」と対策強化を求めた。【沢田直人】