将棋の史上最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=18)が年明け早々から大一番に臨む。渡辺明王将(名人・棋王=37)に挑戦する「第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局」が9日からの2日制で、静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」で始まる。

   ◇   ◇   ◇

○…王将戦4連覇を目指す「冬将軍」渡辺に最強の難敵が挑戦してきた。昨年7月に棋聖戦で敗れてから約半年、藤井対策は準備してきた。「成果がどれくらい出せるか見てみたい」。掛川対局は6戦6勝。「数少ない縁起のいい場所で、いいイメージを持って臨める」と言う。タイトルを争うためには避けては通れない相手に、「1局目を戦ってみて、2局目以降につながっていく将棋にしたい、プロ野球もJリーグもオフシーズンなので、1面を飾れるように今まで培ってきたことを生かしたい」と決意を述べた。

 

【城と将棋】17世紀の江戸時代から、江戸城御黒書院(おんくろしょいん)で徳川歴代将軍を前にして年に1回、対局が行われていた。8代将軍徳川吉宗の時代になって、「御城将棋は11月17日」と定められた。

日刊スポーツが女流王将戦を主催していた1997年(平9)には、宮城県白石市の白石城天守閣で午前の対局(午後は同市内のホテルに移動)だけ開催した。最近では09年名人戦を熊本城(熊本市)、18年竜王戦を福知山城で行った例などがある。

このほか、京都・仁和寺(にんなじ)や千葉・成田山新勝寺といったお寺、茨城・鹿島神宮や都内の東郷神社、神田明神などの神社、昨年藤井が棋聖を防衛した「沼津御用邸東附属邸第1学問所」、能楽堂や料亭、茶室など、和文化にふさわしい対局場をタイトル戦で用意することがある。