京都府南丹市で安達結希くん(当時11)を殺害、山林に遺棄した義父(37)が再逮捕された。大分では58歳の男が18歳の女性を殺害して山中に遺棄。広島県三原市では男性(29)の遺体が会社の敷地内に埋められていた。北海道の旭山動物園では職員の男(33)が園内の焼却炉で妻の遺体を焼いていた。
かつてバラバラ殺人や死体遺棄事件は猟奇殺人として大きく報道されたものだが、それも今は昔。とはいえ、被害者は体と尊厳、2度殺されたことに変わりはない。
なかでも結希くんの事件では私たちメディアの報道のあり方も変わっていかなければ、と強く思う。行方不明から3週間以上たって見つかった遺体は捜査員も目を覆う姿だったという。
事件解決後、「地域の方々の不安を解消した」と語った捜査幹部のコメントも、テレビで連日流れた元警察官たちの解説とやらにも私は強い違和感を抱いた。
引きずり込まれた公衆トイレで、首を絞め上げてくる義父の形相が結希くんにはどれほど怖かったか。殺害された後も遺体からランリュックも靴もはぎ取られ、4カ所を転々として、最後は変わり果てた姿に。この子は11年の人生をなぜこんな形で終わらされたのか。
容疑者のほかに曽祖母、祖母、母もいたという家庭環境で、1人でも、このままではこの子は危ないと感じなかったのか。
児童相談所には虐待や暴力の相談はなかったというが、友だちからは、結希くんが「あいつ」と言って義父を嫌っていたという証言が出ている。多感な年ごろ。学校の先生にも自分の家庭のことを口にしたくなかったのかもしれない。
ただ、そうしたなかで結希くんの人生は、たった11年でガチャンと閉じられてしまった。本当に私たちの社会は何もできなかったのか。なぜ、この子を救い出すことができなかったのか。胸かきむしられる思いで訴え続ける。それが、いま社会が求めている事件報道の在りようではないのか。
◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。東海テレビ「ニュースONE」静岡朝日テレビ「とびっきり!しずおか」などに出演中。


