将棋の史上最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が渡辺明王将(名人・棋王=37)に挑戦する、第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局が9、10の両日、静岡県掛川市の「掛川城 二の丸茶室」で行われ、先手の藤井が139手で渡辺を破った。渡辺はこれまで掛川対局で6戦全勝だったが、無敗神話が途切れた。

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終局後、渡辺は「終盤はチャンスがあるかなと指していたが、最後は分からなかった」と悔しそうに振り返った。

将棋界にある8つのタイトルのうち、7つを占める2人の頂上決戦。戦型は相掛かり。2日目夕まで両者は慎重に指し手を進め、互角の形勢となった。最終盤、一時、リードした渡辺だったが、逆転負けした。「攻め方が…、ちょっと秒読みだったので、分からなかったですね」と話した。

藤井とは昨年、一昨年と棋聖戦5番勝負を戦っているが、2日制7番勝負では初めてぶつかった。入念な準備をして挑んだ大一番だった。これで対藤井戦は2勝9敗。

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冬に行われる竜王戦、王将戦、棋王戦のタイトル戦で圧倒的な強さを見せていることから「冬将軍」の異名を持つ。「始まったばかりなので、またやっていきたいと思います」と気持ちを切り替えた。【松浦隆司】