鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループの秋田善祺元代表(88)から現金計1800万円を受け取ったとして、収賄罪に問われている元農相の吉川貴盛被告(71)が12日、東京地裁で行われた被告人質問で、現金授与を認めた上で、賄賂ではなく政治献金の認識だったことを改めて示した。

秋田元代表から「ポケットマネーだから、何の心配もいりませんよ」などと言われた状況を言及し、「収支報告書に記載すれば、パーティー券を買ってもらえなくなると思った」と収支報告書には記載しなかった理由を説明した。渡された現金を使用した際の領収書なども取得せずに、生活費や政治活動に一部を利用したと言う。

大臣室や議員会館事務所で同代表と面会し、現金を受け取った場面には「いつも『資料が入っている』と封筒を置き、『ダメですよ』と伝えた時はドアの向こうなんです。速いんです」と説明。「いつか返金しようと思って保管していたができず、行為に甘えてきたのは、人生の中で最大の不徳の致すところだ」と述べた。

被告人質問は予定していた検察側の質問が長時間に及んだため、裁判長判断で途中で打ち切られ、次回に持ち越しとなった。