北京オリンピック(五輪)が2月4日、開幕します。注目は史上初の4回転半ジャンプの成功と男子フィギュアでは94年ぶりの3連覇を目指す羽生結弦です。羽生はエンゼルス大谷翔平と同じ94年度生まれ。日本選手団の主将で5種目に挑む高木美帆も、侍ジャパンの4番でポスティングシステムでメジャー移籍を目指す鈴木誠也も、ショパン国際コンクールで51年ぶりに日本人最高の2位になった反田恭平も同学年です。(敬称略)

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世代を代表する人名などを使った「○○世代」という表現がメディアで使われるようになったのは、90年代後半、将棋の「羽生世代」からとみられています。96年に7冠を獲得した羽生善治(70年度生まれ)を追って、98年に同学年の郷田真隆が棋聖、藤井猛が竜王となり、広がりました。

80年度生まれの「松坂世代」は、6大学に進んだ松坂大輔の同期・後藤武敏が3冠王を獲得し、和田毅が5勝を挙げた00年春のリーグ戦から使われるようになりました。清原和博、桑田真澄ら67年度生まれの「KK世代」は「松坂世代」よりずっと上ですが、「KK世代」という言葉ができたのは「松坂世代」より遅く、03年です。

記録のエキスパート伊藤友一(92年入社)に生まれ年度別のプロ野球のタイトル獲得者を調べてもらいました。88年度生まれの「ハンカチ世代」は12人、「松坂世代」は11人と突出していましたが、「KK世代」はなぜか6人と少なく、1学年下の野茂、金本知憲、山崎武司ら68年度組に大きく負けています。五輪個人種目の金メダリストを6人(岩崎恭子、西谷岳文、井上康生、野口みずき、内柴正人、上野雅恵)輩出した78年度は、阿部慎之助、山井大介、武田久の3人だけでした。

すごいのは「ハンカチ世代」を上回るタイトル保持者がいる33年度(13人)35年度(14人)47年度(15人)です。彼らがあまりに高い壁となったため、続く世代は長らく不遇を強いられたことが分かります。