北京五輪スノーボード女子ビッグエアで村瀬心椛(ここも=17)が日本女子最年少の冬季五輪メダリストになったことで、「椛」が注目されている。昨夏の東京五輪で日本人最年少金メダリストとなった「13歳、真夏の大冒険」のスケートボード女子ストリート西矢椛(もみじ=14)に続く「椛」が付く女子選手の大活躍。「子どもの名前ランキング」を毎年発表している明治安田生命では「今年のランキングで急上昇するかもしれません」と話している。

「椛」は「峠」などと同じく日本で生まれた漢字(国字)で、葉っぱが花のように色づく木を表す。音読みはなく、「もみじ」「かば」と訓読みされる。人名用漢字に採用され、名前に使用できるようになったのは2004年9月27日で、04年11月7日生まれの村瀬はまさに最初の世代で、18歳以上で「椛」を使った名前の人はいない。

村瀬の名前には「心の優しい人に」との思いが込められ、秋に生まれたことから「椛」が使われたという。西矢の名前には「木に花が咲くように強く生きてほしい」との両親の願いが込められている。明治安田生命の調査では「結椛」「椛音」「椛」など「椛」が使われた21年生まれの赤ちゃんは32人で、漢字別では130位だった。

明治安田生命は「昨年、男の子の名前で、東京五輪体操男子個人総合で史上最年少金メダリストになった橋本大輝選手の『大輝』が20年の281位から72位になりました。今年は女の子の名前で『椛』が急上昇するかもしれません」と話している。【中嶋文明】