永瀬拓矢王座(29)が渡辺明棋王(名人=37)に挑戦している、将棋の第47期棋王戦5番勝負第4局が20日、栃木県日光市「日光東照宮」で行われた。

午前9時から始まった対局は、午後7時8分、115手で先手渡辺が永瀬を下した。対戦成績を3勝1敗として防衛を果たすとともに、棋王10連覇(棋王戦連覇記録は羽生善治九段が91年第16期から02年第27期まで達成した12連覇)と、タイトル獲得通算30期を果たした。

「終盤まで大変な将棋が多かった」とシリーズを振り返った。これでタイトル獲得通算30期(内訳は竜王11、名人2、王座1、棋王10、王将5、棋聖1)となったが、「あんまり考えていなかったです。それより10連覇の方を強く意識していました。たぶんチャレンジすることはできないので、良かったと思います」と話した。

自身のタイトル戦での連覇記録は、04年~12年の竜王戦9連覇。これを上回り、4年前フルセットの末に3勝2敗で振り切った永瀬の挑戦を再度退けられた。渡辺は引き続き4月6日に開幕する第80期名人戦7番勝負で、斎藤慎太郎八段(28)の挑戦を2年連続で受ける。